踊り子引退して約1年経ったフォロワーの推しが踊るところを観に行ったらフォロワーよりも号泣してしまった話

です。

フォロワーからLINEがあった。それは、春 the BLUEFILMちゃんの出演するバーレスクナイトがあるから一緒に行かないかというお誘いのLINEだった。
バーレスクナイトのお話は聞いていたし、ストリップと似ているけど全然違う世界だという点もすごく気になっていたので即答。
純粋に春ちゃんのステージがまた見れることが嬉しかった私は、まさか大号泣するなんてそんなことは想像していたかったのである。うける。

そして今日。正確には昨日。フォロワーと合流してご飯食べて喫茶店でだらだらとお喋りをした。主にHiGH&LOW THE WORST Xは最高という話をしていたわけです。(重要なことなのでタイトルとは関係ないですが書き記します)
駅に着いて、まだ少し時間があったからコンビニで350ml缶を買った。プルトップが開いて炭酸が抜ける音が平日の新宿に消えていく。ドブみたいな臭いの道端とアルコール。お酒おいしかった。なんかりんごのやつだった。いい頃合いになったらお店に入ろうねってまた話をしながらお酒を飲む。外で飲む酒はなんでこんなにおいしいんだろうね。

飲みきってベコベコになった缶をボディバッグに詰めてお店へ向かう。大きな雑居ビルの6階に、AFTER PARTY TOKYOさんはあった。
ご案内の看板が珍しくてまじまじと見ていたらフォロワーの体は半分お店の中に入っていて慌ててその背中を追う。豪奢な扉の内側は、これまで写真の中でしか見たことのない世界だった。バーとか行かないのでね……。質のいい臙脂色が視界を包む。席についてお酒を注文。涅槃と煩悩?をいただきました。お酒はおいしいなあ。

生まれて初めてのバーレスク。初めてストリップを見たときのようなドキドキが体を駆け巡った。脱ぎきっていないのに、どうしてあんなにドキドキするんだろう。不思議な感覚だった。ストリップのステージを濃縮したみたいな満足感と高揚感があった。(対比にして申し訳ないが私はストリップしか知らないので許してほしい)
それまで普通にお酒を提供してくれたり同じフロアで話をしていた人が目の前で舞い踊りそして脱ぐことへの気持ちの昂りもあるのかもしれない。踊り子さんとロビーやコンビニで会っちゃった時の感覚と近いかもしれない。それは違うかも。

ネクタイない!という声が裏から聞こえてきて、かわいいなあなんて思っていたら、あっという間に春ちゃんのステージ。
キラキラの羽を背負った春ちゃんが目の前で踊っていた。ああ、引退の演目も白い衣装だったなあとか思ったら目の奥が熱くなった。
テンポのいい曲で手拍子をしてしまうスト客。すみません手が勝手に……。
Twitterで言っていたクソデカ物体はこれになったんだなあとか、ニップレスも羽だ!細かいところまでかわいい!とか。でも、春ちゃんのステージが見れていることがうれしくて、踊るあなたが今この瞬間誰よりも素敵で。
演目の最後、羽がヒラリと落ちた。偶然?なんて思ったのもつかの間、帽子を取った春ちゃんの頭上から羽が数枚落ちてきた。構成の天才だと思った。私がストリップのステージで見てきた、こちらをワクワクさせてくれて虜にしてくれる春ちゃんのステージがそこにあって、形は変われど確実にパワーアップしたステージに涙が止まらなかった。もう見れないと思っていた姿が、春ちゃんのエンターテインメントが目の前にあって、それがたまらなくうれしくて、うれしいなあうれしいなあって思いながら泣いていた。
ズビズビのズルズルになりながらチップを渡し、フォロワーになんでお前が泣いてるんだよ!と言われた。ほんっとそれ。そのあとに、これが私の推しですって誇らしげに言った彼女の言葉でまた涙が出てきた。

ところでチップ用のお札を縦に細長く折ってしまうのはスト客あるあるだと思うのですがバーレスクスタンダードはどうなんでしょう。不正解だとしても折って渡しちゃうけど!そうやって育ったので!
ストリップは同じ演目を何度も何度も見(ることを選んで)て味わうことができるけど、もう見ることができないかもしれない一期一会なステージもいいもんだな……と思った。

踊り子を引退してもコンスタントに踊る踊り子さんは稀なのかな。私はいろんな踊り子さんを知っているわけではなく、歴も長くないのでわからないけど、なんて素敵なことなんだろう。踊ることを選んでくれてありがとう。人前に出てくれてありがとう。会いに行かせてくれてありがとう。そんな気持ちでいっぱいになった、人の推しのステージで号泣した女でした。

酒飲んで泣いたので頭が痛いです。超敗者。